あわいろ

(奢ってくれる、のでしょうか)


うわうそラッキー、と思いつつも黙ってそのまま返事を待つ






「このまんまやと由香ちゃん栗本とばっか仲良うしてまうやん」






ハハハと笑われて、絶句する


(仲良うしてまうやんて、子供か?)


あたしも仕方なくアハハと笑ってみる








「俺とも仲良うしてやー」

「そんな餌付けみたいな」





「ほんまやな、餌付け餌付け、よろしゅうな」

「なんかすいません、ありがとうございます」







どうリアクションしていいのかわからなくて頭を下げてみる

意外と子どもっぽい一面を垣間見たような気がして、正直少しうっとおしさすら感じた








「デザートとかも、頼んでええよ」

「お昼にそこまで時間かけられませんよ」




「あ、そう」

「ありがとうございます」










「オムライス、好きなん?」

「はい」





「たまご、好きなん?」

「はあ、わりと」









喋っているうちにあたしの目の前にオムライスが運ばれてくる

黄色い幸せそうなそれからほんのりと湯気が立つ





「時間なくなるで、食べ」

「じゃああの、お先にすみません」




スプーンで卵の一角を崩して、ソースと一緒に口に運ぶ




(やばい)



もぐもぐしながら片手で軽く口元を隠すように覆う




(お い し い !!!)





おいしい、と訊かれて三回も頷いてしまった
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