あわいろ
(いやほんと、おいしいわ)
(予約、納得!)
今度は卵のとろとろしたところを食べるべく、貪欲にスプーンを動かす
「ええなあ」
高坂さんの羨望の声にあたしは断言してみる
「ハンバーグも絶対おいしいですよ、このかんじだと!」
オムライスを空いた手で指しながら言ったら、笑われた
「由香ちゃんに奢んの、ええわ」
「へ?」
手を止めて、高坂さんをぽかんと見る
高坂さんはまた、楽しそうに笑った
「由香ちゃんまた奢らせてぇな」
「いやいやいや、あの、そんなあたし、」
「栗本と行かんと、俺と行こ」
「はい?」
「せやからアレやねん、俺楽しいし、由香ちゃん食べんのええし」
「・・・・・・はい?」
高坂さんが何を言っているのかわからなくて、申し訳なくも聞き返す
じっと見た高坂さんは、しばらく笑って
そうして困ったように息をついた
「・・・・・・何喋ってええか、わからんくなってきた」
親指で前髪の辺りをぐりぐり押さえて、高坂さんは眉を寄せた