走り出せ、コスモス*


皮膚が温度を取り戻し始めて、お湯がだんだん熱く感じてくる

「あっ! いったぁ…」

シャワーが目に入った


ゴトッて音がした

先生は私の顔を両手で掴んで、押さえてる方の目を開けた


痛い目を開けると、先生は心配そうな顔をしてた


目が合って、痛みを忘れてじっと見る


シャワーの音がお風呂場中に鳴り響く


先生は気がついたようにバッと手を離した

「ごめん…!
濡れてんのになんでまた濡らしてんだろ」


お風呂好きに使ってって言って、びちゃびちゃと音をたてながら先生はお風呂場から出て行った


それから、なかなか立ち上がれなかった

それは重くなった制服のためではなくて、なんだかぼーっとしてしまって


私を心配しておかしくなっちゃう先生

怖い

でも可愛い

嬉しい




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