走り出せ、コスモス*


先生の手が私の髪を掻き分けて、頬をなでる

あったかい


頭をすっぽり包んじゃうような大きな手で

頬をすりすり


「明日とか 学校…行くの?」

…え ?

初えっちで体だるいから学校休みますって

普通そうなの!?

みんながそうなんなら

私けっこう楽な方なのかな‥


「私 そこまででも…

 ないん‥ だけど」

それから先生の手は

私の手をマッサージするようにぐにょぐにょ動いた


「そっか」



変な緊張。


変な空気。



でも、すべてから


先生の優しさが伝わってくる


「明日の晩 電話するね」


先生の車を見送った後

なかなか家に入れなかった


かすかに残るほてりと

さっき別れたばかりの人の

顔が浮かんで








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