走り出せ、コスモス*



塾が終わって、先生に質問するふりして

「うちの親こわくないよ」って

言いに行った。

言ってる間、先生の視線がじーっと集まってるのを感じた。

上を見るたびに、びくっとして話が続けられない。

噛みに噛みながら、やっと言いたいことが言えた。


先生はただ

笑っただけだった。



「だるくない?」

先生は話すたびに、何度もこの質問を繰り返す。


「大丈夫だよ」

昨日言ったじゃん とかは

絶対に言えない。

こうやって私の体のことを聞くことに、

先生らしい愛を感じるから。


いっぱい寝たし、日曜くらいでホントにもうだるさはなくなっていた。


よかったって言った先生は

胸がほっこりするようなくらいの笑顔をくれた。


やっぱり、私はこの人がすき。

私もちゃんと

お父さんやお母さんに先生を紹介したい。









< 150 / 224 >

この作品をシェア

pagetop