走り出せ、コスモス*
足がピリピリと
痛くなってきているのを感じた
「あっ そういえば
ケーキを買ってたんだった
沙枝ちゃん、切るから手伝ってくれる?」
「あ、はい」
お母さんについて立ち上がった
足が痛くてぐらつく
客間から出るときチラッと先生を見た。
先生は下を向いてて
髪で表情が見えなかった。
ケーキを切り分けていると
横でお母さんが言った。
「すごくいい人そうだね」
「うん…」
お母さんと先生の話するなんて… なんか恥ずかしい。
「先生は、受け入れてもらえるわけないって言ってたんだよ。」
「えぇー!堅い人ね!
うちはこんなにオープンなのに」
「私も大丈夫だと思ってた。」
お母さんはあははって笑った。
だよねー…
「でも先生がちゃんと言えるか心配でさぁ…」
「うふふ、ホントいい人ね!
お母さんすっごく気に入ったわぁ~」
よかった、お母さんにちゃんと先生が分かってもらえて。
ケーキをみんなで食べて、4人で少し話した。
「英語の先生なら、留学経験は?」って お父さんが言って
知らなかったけど先生は
ボストンに行ってたことがあるらしく
「ジェントリフィケーションの影響は受けた?」
とか なんか詳しいこと語り出して
先生も盛り上がって楽しそうに話してた。
なんだか、お父さんと気が合ったみたい。