走り出せ、コスモス＊

藤石から見た沙枝 ２

先生、先生って

俺を呼ぶ透き通った声

振り向くと、そこにはとてもかわいい少女が立ってるんだ


いつも何かに夢中になってるみたいで、なんだか楽しそう


東大生、京大生は美人が多いっていうよね

それは、夢に向かって一生懸命で、いきいきしてるからだと思う

沙枝ちゃんがあんなに可愛くてキラキラしてんのは、それと同じ効果もあるんじゃないかな


そんなとびきり可愛い子がなんと俺をすきだって

２回も告白してくれたのに、俺は同じことしか言えなかった


あの時沙枝ちゃんはすごく小さな声で

「ほんとにすき」って言った


でも俺の中では

沙枝ちゃんを彼女にって考えても　なんか

「できない」って

それしか浮かんでこない


「誰か他のいい人を探して」って言ったけど

それが俺の本音




「ああ、もう火曜日か…」

今日は沙枝ちゃんがいるクラスの授業がある。

もうすぐ一学期が終わる。


…１７時１０分…

第一高校は火曜は７時間目まであって、

部活してない組がこの時間の授業に入る。

そして、彼女がやってくる。