走り出せ、コスモス*


それでも近づいてくる先生に、どんどん力を強くする

「やだ!」

「やだじゃない」

ぐいぐい押し合い。


「びくびく反応してる沙枝ちゃん可愛い」

え…っ?

押さえる手の力を弱めた


「そっちの方がいいの?」

「? 当たり前でしょ?」

そうなんだ…


自分では、変で嫌だと思ってたけど

先生が…そっちの方がいいんなら

過剰反応も悪くないかもって思った


手が弱くなったから、だんだん顔が近づいてくる

「とりあえず キスさせてください」

や…だ 反則だよ

お願いされると、恥ずかしいけど 嬉しくて


手をのけると

目の前に先生の甘い表情が見えた


気のせいじゃない と思うんだけど

『私が…ほしい』って 言ってるみたいな


ドキドキして

私も目を閉じた



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