走り出せ、コスモス*


そんなころ

お昼時に、質問を受けていると不穏な話が聞こえてきた。


「吉風沙枝!

いくら可愛いからってさあ、ひどいよねぇ~!」
 

質問してきてる生徒の声が、だんだん耳に入らなくなってくる。

な… なんだ?


あの子は、容姿がよくて
頭も良くても

妬まれないほどに
性格がいい子なのに。



「仲いい子がずっとすきだった先輩を、パッと奪ってったんだって!

しかも知ってて相談にものってたらしいよ

最低だよねえ!」


耳を疑った。


そんな ばかな



目を見開いて

質問する生徒と目を合わせた


その生徒は、不思議そうな顔をしてた。


おい、うそだろ。


だってあの子は

そんなことするタイプじゃない


もしするとしたら

その理由は…


頭に浮かんだ考えに、唇を噛んだ。

きっとこれが正しいって

分かるから








< 22 / 224 >

この作品をシェア

pagetop