走り出せ、コスモス*
「すいません」
視線を逸らして
やっぱりこっちを見ようとはしない。
俺はカツカツと近づいた。
すると少し逃げた。
気にせず沙枝ちゃんのケータイを掴んだ
「あ…」
着信履歴を見ると、
『8/6 17:51
田中先輩』
「これ何なの」
あえて
ゆっくり話した
久しぶりにこっちを見た沙枝ちゃんの目は
強く俺をにらんでた
「彼氏だよ」
こんな目
見たことない
そのきれいな顔で
俺のフィルターが外れた
ケータイを鞄に向かって
思いっきり投げつけた
「バカ!!
何考えてんだよ!!」
沙枝ちゃんはビクっとして固まった
俺たちは 久々に見つめあった