走り出せ、コスモス*



しかも、藤石先生は英語の教え方が上手なだけじゃないのです!!

今までこんな人見たことないってくらい、優しい藤石先生。


――「早く大人になりすぎた」

そういわれた沙枝が

その無条件な優しさに惹かれていくのは、不思議なことではないかもしれません。


森定真緒(もりさだ まお)は、小学校が同じでそのころ仲良かった子で、家が近いので一緒に帰ったりします。

春から同じ一高に通うので、同じクラス。


友達もできて、みんな少し塾にも慣れてきたころ。

慣れからくる油断か、沙枝は真緒ちゃんに

「沙枝ちゃん太った?」と爆弾をくらいます。


前はスリムで美人だと言われてたのに、部活をやめてぽっちゃり気味になった沙枝は、

太っていることが最大のコンプレックスでした。


沈んでいる沙枝を、藤石先生は気づいてくれて元気づけてくれました。

優しい先生…


そのとき「下の名前かっこいいから、名前で呼んでもいい?」って言った先生を、沙枝は理解できませんでした。

「かっこいいから」なんて 聞いたことない


そして沙枝は気づきます

前に同じことを言われたときは、この人私のこと好きなの?ってすぐ思ったのに

今は思わない… だって、ありえないから

私、心も変わっちゃってる


自信を取り戻したい―――

沙枝は、急激なダイエットを始めてしまいました。



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