走り出せ、コスモス*
「中川原さん、テキストは」
「すみません 忘れました…」
「初日から ですか?」
「すみません…」
私はハラハラしながら見てた
学校で俊子は、スカートが短くて目立ってて
しかもよく寝るし…
先生に目をつけられてた
目をつけられてるのを知って、俊子も反発してる
塾で同じクラスの人たちはみんな大人しいし
先生はみんなに好かれてる
先生、反抗されたことなんかないから… 大丈夫かなあ…?
「隣の人に見せてもらってください」
「はい…
ごめんね 沙枝ちゃん」
「いいよっ全然!」
私は俊子と自分の間にテキストを置いた
俊子も座って先生も向こうを向いたから、少し安心した