走り出せ、コスモス*


そんなとき、藤石先生は沙枝に言いました。



「拒食症って知ってる?」



沙枝は突然何を言い出したのか分かりません。


先生は、真剣な表情で沙枝に語りかけ、パソコンで拒食症患者の写真を見せました。

そしてその病気の恐ろしさについて教えました。


でもやっぱりまだきれいになりたい沙枝は、「私は違う」って言い張ります。

先生の言うことを全く聞かない沙枝を、先生は怒りもせずに優しく説得します。


「この病気は、頑張りやさんがなりやすいんだって

もう頑張らなくても、十分きれいだよ」


笑顔で言った先生の一言に、沙枝の頬には涙がつたりました。


食べようと思っても食べられなくなって、沙枝は危ないところまできていたのかもしれません。

きれいになりたいってことばっかり考えていた沙枝。

目を覚まさせてくれた藤石先生に、とても感謝しました。


同時にすきという気持ちが

確固たるものになっていきます。



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