走り出せ、コスモス*


私の中で、何となく俊子と先生の間にはピリピリしたものがあると感じてた

サンダーっていうか… ああそれじゃバチバチか


後期補習4日目、俊子はその私の考えを粉砕した


「藤石先生いいよねぇ!

バカの私でも分かったもん!

教えるの上手いよねぇ~」

俊子は先生を受け入れ始めたんだと思う


先生は一定の所まで 壁を作らないから 

それを俊子は感じ取ったんだろう


先生の方は…?


「中川原さん… 何でこんな点数とれるんですか」

先生は夏期講座から、授業で小テストを始めた

前の授業の復習だけの、簡単なテスト…だと思う


「何よ~先生!私だって頑張ったのに!

ほら2番とかつづり間違えただけですよ!」

俊子は身振り手振りをしながら必死さをアピールする

それを見てクラスのみんなが笑う


交換して丸つけしたけど、俊子は10点中まさかの0点だった

でも答案から、必死さは私にも伝わってきた

俊子、ホントに英語 頑張ろうとしてるんだ…






< 60 / 224 >

この作品をシェア

pagetop