走り出せ、コスモス*
次の日の先生の授業で、俊子は爆睡してた
今日は学校の後期補習の最終日だったけど、疲れがたまってるのかな
学校でも寝てた
先生の授業で寝る人はめったにいない
てか コックリともこないくらい
先生の授業がおもしろいから
聞き逃すのはもったいなさすぎるし
…だけど 私の隣で俊子は気持ち良さそうに眠ってる
「次の4の(2)を 中川原さん、訳してください
…中川原さん?」
先生が気づいて、俊子の横まで歩いてきた
周りのみんながクスクス笑ってる
それでも起きない彼女を見て、先生は私の方に視線を向けた
あ 目 合った…
嬉しくて
俊子のこともおかしくて
先生に笑いかけた
すると 先生は俊子を見て
「しょうがないなあ」って 顔して 笑った
何か胸に 突き刺さったような感じがした
「中川原さん」
先生は背を向けて、前に向かって歩いて行った
「あ…はい…」
俊子がのっそり起きた
半開きの目。
俊子は美人なのに、別人みたいに変な顔
「4の(2)です。」
「えっと……
…4。」
「え…?」
先生が苦笑いすると同時に、クラスのみんなが爆笑した
俊子は頭を左右に振って、慌てながらみんなを見た
「あの、訳してくださいって言ったんですが」
「あ!ああ、えっと…………」
みんなまだ笑ってる。
クスクス、クスクス…
でも
私は何だか 笑えなかった