走り出せ、コスモス*
「あ…ありえない…!」
まだプログラム7番なのに、私は先生を見つけてしまった。
組体操も来ないでって言ったのにぃ…!
「あれ?もしかして藤石先生じゃない?」
真緒ちゃんが先生を発見した。
「ふ~ん?ラブラブってことね。」
真緒ちゃんはニヤニヤした顔で私の肩に肩をぶつけた。
真緒ちゃんはいつも、自分のことみたいに心配してくれて、自分のことみたいに喜んでくれる。
そんな真緒ちゃんが、私は大すき。
「組体操始まるよぉー!」
「3組ー!気合い入れていこー!」
「「オーっ!!」」
あんな気にしてたのに、組体操の間、先生のことを忘れてた。
演技やクラスのみんなに夢中で…。
ピラミッドの一番上に立っても、私の目には砂ぼこりしか映ってなかった。