報告
「奈津いない…」
食堂にも奈津の姿はなかった。
今日は一人か。なんだかさみしい。
私は窓際の机にバットを置いて座った。
ぎゅるる…
私のお腹が悲鳴をあげている。早く流し込まなければとカレーライスを口に運ぼうとしたとき。
「…?」
視界の隅っこに何やら変なものが映った。
「きゃぁあああああ!!!!!!!!!」
食堂に悲鳴が響く。
私の視界に映ったもの。黒い物体だった。
なんで悲鳴をあげてるの?
食堂にいた半分以上の人がそんな目で悲鳴をあげてパニックになっている人を見ている。
そして、一人の男が窓を震える手でこじ開けた。