報告
「…」
帰ってこない。
いつものことだが、お母さんとお父さんは一向に帰ってこない。長引いてるのかな?
早く帰ってきて。
私は夫を夜遅くまで待つ妻のようにダイニングテーブルに座って二人を待っていた。
ふとテレビのリモコンに目がついた。
テレビを見よう。
そう思い、スイッチをつけた。
『速報です!!ただいま、○○県××町…で救急車と普通乗用車が追突事故を起こしました!!赤信号で進んでいた救急車に激突した模様です!ケガ人などの負傷者はまだ不明です!!』
住所を聞いたとたん、変な汗をかいてきた。
お母さんとお父さんが務めている病院の近くだ。
とにかくニュースキャスターの言うことに注意深く聞き耳を立てる。
『あ、ただいま、救出された模様です!!…と普通乗用車に乗っていた男は軽傷のようです!!そして、救急車のほうは…』
ゴクン
大丈夫だ。違う。助かる。
『救急車に乗っていたとみられる人数は7名のようです!!そのうちの4名は無事救出されたようです!残りの3名は…あ!今、今1名救出されました!!あと2名です!』
お母さんっ…お父さんっ…