報告

「うわっ!美帆すごいよ!!行けー、取っちゃえー!!」



キャッキャッと子供のようにはしゃぐ奈津。



ガタンッ



「はい」



当たり前のように景品を奈津に渡した。



「さすが美帆だね。…コレ美帆にあげるよ」



景品のミニーの耳が揺れる。



「なんで?奈津のために取ったんだから」



「えー?美帆、ミニ―ちゃん好きでしょ?だから、ハイ」



奈津が私にミニーを押しつける。



…ホントは自分が欲しかったりして。



いつもそうだ。奈津のために取ろうとするが、たまに自分の欲しいものがある。



そんなとき、いつも奈津は私にくれた。私の心の中見えてんのかな?



「…ありがとうございます」



軽めにお辞儀をする。



「いえいえ。次あれ取ってぇー!!」



いつも思うけど私は奈津のお父さんみたいだ。
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