報告

「あんさー、昨日すっげぇかわいい子見つけたんだけど!」



「え!?なんだよ、そんなにかわいい子?今度、俺に紹介してくれよ」



不良たちが集団で道を塞ぐ。その前方、迷惑そうに顔をしかめるサラリーマン。



だが、何を言う訳もなく不良たちの間を縫って前に進む。



そして、前方にある少女が現れた。こんな時間にこんな幼い子供がいるわけがない。



「でさでさ、そんでメアドゲットしちまったんだよ!!」



「えーマジ?羨ましいじゃんかよ」



なぜか不良たちは少女に気づかない。



不良たちと少女の距離は縮むばかり。このままだとぶつかってしまう。



だが



「あー、彼女ほしー!!!!」



少女と不良たちはすれちがった…のではない。



そのまま通り透けたのだ。


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