悪魔のいる教室
「だ……だって、『付き合おう』とか言われてない……」

「言っただろーが」


まるで竹の切る時みたいにスパン、と言い切られた言葉に、私はただ呆然とするしかなかった。


……待てよ……。

言われてねぇよ……。


けど、悪魔が嘘ついてるようには見えない。


私は出来損ないの脳みそをフル回転させ、記憶を辿ってみた。


──そして、ふと思い出した。


そういえば……キスをした後の帰り道で、悪魔になんか言われたような気がする。

そう、確か──


「『付き合え』っつったっけ……?」

「あぁ」


やっぱりぃぃ!!


あの時意識が朦朧としてた私は、てっきり悪魔が『付き合え』って言ったのを、買い物とか飲み会とかそっち系の『付き合え』だと解釈してた!!

んで、軽い気持ちで『いいよ』とか言ってた気がする!!


そうか!!
そういう事だったのか!!


ってか、雰囲気もクソもなくサラリと『付き合え』だなんて、あんまりだ!!

そりゃ、深く考えなかった私も悪いけども!!


……ありえない。
いや、実際ありえてるんだけど、でも。

こんなスレ違い、漫画の世界だけだと思ってた。


ってか……待てよ?

と言うことは。

悪魔は、私の事が好き……なの?
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