悪魔のいる教室
危険なクラスメート<前>
「ひなたちゃん、最近頑張ってるよね」
前の席の彼女はこちらを振り向き、綿飴のようなフワフワした笑顔でそう言った。
授業の合間の休み時間。
堅っ苦しい古典の授業から解放された教室は、美しい日本語なんて関係なくガヤガヤ騒がしい。
勉強なんてそんなもんだ。
どんなに頑張っても、日常生活では役に立たないもんが大部分を占めてる。
それでも学ばなきゃなんないのは、ニンゲン社会では勉強は出来た方が何かと有利だからで。
成績がよけりゃ自分のレベルも高くなる。
頭より性格のが大事だよ、なんて言いたくもなるけど、勉強を頑張ってる人ってのは『将来に対して意欲的である』って認められやすいわけで。
結局は、そういう賢い性格が必要なのかもしれない。
「え……私?」
パンパンの引き出しに教科書を詰め込む手を休めないまま、尋ねる。
今日から冬服をやめ中間服に衣替えした千代ちゃんは、微笑んだままコクリと頷いた。
前の席の彼女はこちらを振り向き、綿飴のようなフワフワした笑顔でそう言った。
授業の合間の休み時間。
堅っ苦しい古典の授業から解放された教室は、美しい日本語なんて関係なくガヤガヤ騒がしい。
勉強なんてそんなもんだ。
どんなに頑張っても、日常生活では役に立たないもんが大部分を占めてる。
それでも学ばなきゃなんないのは、ニンゲン社会では勉強は出来た方が何かと有利だからで。
成績がよけりゃ自分のレベルも高くなる。
頭より性格のが大事だよ、なんて言いたくもなるけど、勉強を頑張ってる人ってのは『将来に対して意欲的である』って認められやすいわけで。
結局は、そういう賢い性格が必要なのかもしれない。
「え……私?」
パンパンの引き出しに教科書を詰め込む手を休めないまま、尋ねる。
今日から冬服をやめ中間服に衣替えした千代ちゃんは、微笑んだままコクリと頷いた。