悪魔のいる教室
笑ってんのに……どうして?

泣きそうだ。


ガラス越しに広がる温かそうな空気にそっと指先だけ触れると、ひんやり冷たかった。


込み上げてくるのは……寂しさ?


なんだかんだ、悪魔には一緒に笑う相手がいて。

蹴りとか入れちゃうくらいだから、気遣いなんかしないで仲良くできる相手。


男の子の友情って、女の子とはちょっと違う。


女の子の友情には、暗黙の了解がたくさんある。


思ってもない誉め合い。

お揃いの小物。

上辺だけの作り笑い。


そういうのって、なんだか息苦しい。


男の子の友情がキッパリサッパリなら、女の子はドロドロネチネチってイメージ。


別にそれが悪いって言ってるわけじゃない。


だけど私は……くだらないって思ってる。


上辺だけの友情なんて意味ある?

本当の自分を隠してまで、仲良くしなきゃなんないの?

裏で悪口言うくらいなら、仲良くしなきゃいい。


そう思いながら、結局私は今日も笑い続けてる。


悪魔は私とは違う。

上辺ばっかの私とは違う。


一番ドロドロネチネチしてんのは他でもない……私だ。
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