悪魔のいる教室

傷だらけの報復

『なんか優しいかも』なんて油断したのがそもそもの間違い。

あの後、私を待っていたのは地獄だった。


『てめぇちゃんと聞いてんのか』
『脳みそ使え、バカが』
『小学校からやり直してこい』


散々暴言を吐かれ、殴られてはいないものの……泣きたいくらい怖かった。


私の中の怪獣はまたまた大暴れ。


だってすっごいイライラしてんだもん、悪魔。

まぁ私バカだから、イライラすんのも仕方ないけど……。


でも『1回しか言わねぇ』とか言っておきながら、私が理解するまで何度も説明してくれた悪魔は……ちょっとだけいい奴かも、と思った。


悪魔の性格は数学よりも複雑。


よく考えれば、タケティーの言う“罰”なんて半分はいつもの冗談だっただろうし、どのみち放課後すぐ逃げれば済む事だ。

なのに悪魔はそうしなかった。


なんで?

タケティーの頼みだったから?

そう考えるのが一番自然なんだろうけど、なぁんかイメージと違う。


ほんと、悪魔はわかりにくい奴だ。

わかりにくいけど、いいとこもある。


それがわかっただけでもいっか、と思えた。
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