悪魔のいる教室
観衆が悪魔達に向かって何かを投げ始めた。

……お金だ。


金髪くんともう1人の子がそれらを拾い集めペコッとお辞儀すると、観衆は口々にゲームの感想を述べながら散り散りになり始める。


その間に、悪魔は地面に座り込んでる敵チームの1人に近づいた。

なんて言ってるかはわからないけど数言会話を交わし、そして──


「……なんで?」

「ん?」

「なんで……お金、貰ってんの?」


例えば、コンビニでおつりを貰う時くらい自然な流れで、悪魔は相手からお札を受け取っていた。

千円や2千円って額じゃない。

恐らくあれは、万札。
しかも何枚も。


いつも、こうやってお金稼いでたの?


モヤモヤした、嫌悪感にも似た感情が胸に疼いて。

眉間に皺が寄ってくのが自分でもわかった。
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