チャイムが鳴る前に。



「……で?」
「…え、」
「え、じゃない!!相手は誰なの?」
顔をしかめた咲ちゃんは、またあたしにずいと近づく。
「…な、内緒っ」
いかんいかん。これ以上咲ちゃんに聞かれたら、押しに弱いあたしは喋ってしまいそうだ。絶対咲ちゃんは、尋問官とか向いてるよ。
「…トイレ、行ってくるね」
適当に咲ちゃんをあしらうと、あたしは教室を出た。


< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop