チャイムが鳴る前に。
「…ほんとに開いてるんだ」
がチャリとドアノブを回すと、鍵がかかった様子もなく、容易に入ることができた。
パタンとドアを閉めた先に広がるのは、青。何にも染まらない青空。
今あたしがいるのは勿論トイレではない。屋上。学校で青空が広がる場所といえば、ここしかない。…ごめんね、咲ちゃん。あたし、嘘をつきました。
理由はーー…
「…あ、やっと来た」
柏原くんと待ち合わせしてるから。
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