空色スカイライン
one

opposition





そんなことをあたしが思うようになったのは、あの日からだっけ。
目の前が真っ暗で。
それでも、もがいて、もがいて。
…だけど。もうそのもがく力さえ、あたしにはもうない。
「しーずるっ!!」
振り向かなくても誰かわかる声。ノー天気なあいつの声。
「……なんだハチ公か」

「なんだとはなんだよ!」
黒崎八郎。クラスメートの一人。…の、はずなのに、いつのまにか呼び捨てされて、いつのまにか一緒に学校行ってる。…まあ全部ハチが勝手にやってることだけど。

「……あのさあ、いい加減一緒に(ながは無理矢理)学校に行くのやめない?」
「…なんで?」
「なんでって…」
ハアとため息をついた。さっきから思う、まわりの視線が痛いのだ。こうみえてもハチはモテる。もちろん自己意識はない。またそこがいいらしい。あたしにはよくわからない。人なつっこく笑ってこう言うんだ。
「…まあいいじゃん」
よくねえ!
だめだ。こいつと話してもらちがあかないよ。



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