呪われ海との約束
更に黙る俺に、きっとテストがヤバかったんだろうな…とでも思ったのだろうか(さっき配られた結果だが、いつもと変わらず気にしてないのだが)気分を変えようとしたのか、あの“禁句”を言った。

「『海』行こうぜ!『海』っ!」

…あぁ、思い出したくないことを思い出してしまう。

海の波の音が耳の奥に響いてる感覚がした。

「ダメだ。山行こうぜ。時代は山だ」

「何わけわかんねぇこと言ってんだよ」

軽く匠に突っ込まれ落ち込む俺をよそに匠は騒ぎ出した。

「…はぁ……。
俺は行かないからなぁ~」

じゃ、といって寝る体制に入った……つもりが、匠が素早く体当たりしてきてそれどころじゃないぐらい痛い。

「お前もうすぐ夏休みだぞ!?もっと楽しまなきゃダメだろ!」

「夏休みのどこに楽しむ要素があんだよ」

半ばキレ気味の俺に匠はさっきの俺のような盛大なため息をついた。
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