呪われ海との約束
「…いつもどーり、悪いけど?」

それを聞くと匠は俺をまた凝視した。

今日は何かと見てくる…。なんかムカつく。

「俺はてっきりめちゃくちゃ悪いのかと思った」

他のところに視線を泳がせ話す匠。俺は早く寝たいってオーラを出したのだが匠は全く気付かない。

「いつもは全然気にしねぇのにさぁ…今回、なんか落ち込んでたじゃん?」

なんだそんなことか。
でもなんだか心配してくれたことに嬉しくってついニヤけてしまった。
それを隠すために少しうつ向く。

高校二年から仲良くなった俺らは一年のときのことをよく知らない。
だから、俺が“この時期”になると元気がなくなることを匠は知らない。
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