喧嘩別れの幼なじみはー…
「おーい、席つけ。ヤローども。」
「口がとっても悪いですよ。中沢(なかざわ)先生。」
そう言って担任の中沢先生(男)に注意しているのは、副担任の桐山(きりやま)先生(女)だ。
真面目な桐山先生に対し、不真面目な中沢先生。面倒な仕事は全部他人任せな中沢先生に対し、面倒な仕事でもきちんとやりきる桐山先生。
…校長、担任と副担任の交代をお願いします…。
「えー…、とっても面倒くさいんだが、今頃このクラスに転校して来るという少し空気が読めてないやつが来るらしい。」
ザワザワッ
クラス中が騒がしくなる。
…あ、沙羅ちゃんの言いたかったニュースってもしかしたらこのことかも。
「空気が読めてないのはあなたでしょ、中沢先生。」
キッパリと騒がしい中、中沢先生にそう言いきったのは勿論桐山先生だった。
クラスのみんなも静かになった。
「…桐山先生…。オレのこと嫌い…?」
「嫌いとまでは言いませんが、好きではありませんね。」
きっぱりと言い切られた中沢先生はガクッと肩を落とした。
オレって魅力ねぇ?って教壇に一番近い生徒に涙目で聞いている中沢先生はいろんな意味で終わっていると思う。