生徒会長様の、モテる法則

外は気付けば真っ赤に染まっていた。
窓から差し込む夕焼けから伸びる要冬真の影は誰よりも美しく、威厳があるように見える。


腹が立つほど。



私は、椅子に縛り付けられた状態で死刑判決を受けたような気分になり、この部屋のもう一人の住人に助けを呼ぼうとしたがいつの間にか席を外していたようで、ソファの前にあるテーブルに先程の本だけが置いてある。

なんという…こんな奴と二人きりじゃあいつ奴隷にされるか分からんぞ。



「いやだ」



とりあえず拒否権を主張。



「お前に拒否権はねぇよ」



人権を否定。


「どんな人間にも人の好意に対して自己を主張出来る権利はあります」


人権を主張。


「生徒会役員は会長が指名出来るという、この学校の決まり事だが?」


「はん、じゃあその会長とやらを呼んで…」


重大な事に気付き、ゆっくりと顔をあげると、奴は私と目が合った瞬間に悪魔の様な笑みを浮かべた。


「…、まさか」



悪巧みをする、大魔王と言った方がよい。
演劇で悪役をやらせたらピカイチだと思うほどの、悪寒が走る美しい笑みだった。



「俺様が、生徒会長だが?」




「うそだぁぁぁぁあ!!」

バカな!
こんな俺様で、偉そうで、綺麗な人間が生徒会長なわけない!

生徒会長は、メガネで、がり勉で、垢抜けない感じの男子だろーがー!!!(偏見です)



「認めん、認めんぞ!」


「なにがだよ」



「あんたが生徒会長だってことがだよ」



「てめぇが認めなかろうが、ヘでもねぇけどな」



正論…!



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