生徒会長様の、モテる法則

6-2 襲来




――…もしなんかあったら、俺が助けてやるから





「リン、口開いてる」


「え!あ、マジで!?」



授業もろくに集中出来ず、休み時間もボーッとしたまま、時刻はいつのまにか昼休み。
ハルに突っ込まれ我に返ると、目の前にあるのは箸に挟まれたミニトマト。


「つうか、ミニトマト食わそうとすんな!」


「あーばれた?おれ、ミニトマト嫌い」


「文句言わない!」


「うぐっ!」



箸先のトマトを奪い取りハルの口に突っ込むと、彼は口元を押さえて悶絶しだした。
ざまぁみろ。

つうか、昼ご飯の時間じゃないか。
鞄の中からそそくさと弁当を出し、広げる。
自分で毎朝作っているのだが、割とこっているつもりだ。

将来旦那さんに毎日作ってあげる自信がある。


『はい、アナタ』


『鈴夏の弁当はいつもこってるな。嬉しいよ』


って思わず妄想してしまったが誰!?旦那さん誰!?





「いただきまーす」




気を取り直して、箸を持ち机の上の弁当箱を開くと、そこにはびっしりと敷き詰められた白米に赤い梅干し。



「…あれ」


日の丸。


今にも君が代を歌い出しそうな見事な日本。


白米の国、ニポン。


そういえば、弁当作った記憶がはっきりない。



「あー!なんなのこれ!?」



私は頭を抱えて机に額をぶつけた。
要冬真と話した日から、私は本当に可笑しくなってしまった。
どうしよう!

もう、なに!ホントになに!


気付けば甘いもの作ってるし、アクションとか好きだった私が冬ソナ全巻借りて夜な夜な見てるし、挙げ句の果てにこないだクローバー花占いしてた…!


しかも三つ葉のヤツで!




私のアホ!




「鈴夏さん」


「ぎゃぁ!びっくりした!」


「まぁ、私にドキッとしました?それは恋です」




――…助けてやるから




「違う!いや!違う!ってか彩賀さん何か用!?」



やや投げやり気味の私にたじろぎながら、彩賀さんは廊下を指差した。



「桐蒲くんが、お呼びですわ」



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