生徒会長様の、モテる法則
いやいや、そうだ写真だけ見て似てるなぁって思ってたけど、見て下さいこれ似てますよね、的な?
そうしてお見合い写真を見せてくれたら気付いてた!
いくら鈍くても自分の写真くらい識別できるわ。
「おはようございます、お二人とも」
ギャァァア!
悩んでるうちに真打ち登場した!
どうしよう平然とするか?それとも早速破談への道を交渉するか?
「おはようございます」
「…、お、はようございます」
ユキ君が普通に朝の挨拶をしたので、何となく無視が出来ず遅れて続けたが異常に不自然だったらしく、彼は怪訝な顔で私を振り返った。
私、ユキ君、久遠寺くんと言う並び順が幸をそうして一番奥の彼にはあまり気にされていない様子。
このまま昇降口まで辿り着いてくれれば、逃げるのみ!
「鈴夏さん」
いやぁぁ
話しかけられた!
「は、はい何でしょうか久遠寺くん」
仕方なしににユキ君を通り越して久遠寺くんを見上げると、いつも通りの笑顔が見える。
「他人行儀はやめてくださいよ、仮にも婚や」
「ああああ!こんにゃくはあんまり好きじゃないようんやっぱり卵かな!卵だよね久遠寺くんちょっと話があるんで来てくれるかな、ごめんねユキ君私達先に行くから!」
合図もなしに核心キター!
怒鳴るように早口でまくし立てて久遠寺くんの腕を掴みとりあえず全速力で二人きりになれる所へ!
まだ始業時間には余裕がある、話をつけるなら対等になれて大人の居ない今しかない。
エレベーターも使わず一気に屋上まで駆け上がり扉を開け誰もいないのを確認して彼の手を離すと、同じ様に走らせたのに全く息の上がっていない余裕の口元が目に入った。
「どうしたんですか?いきなり」
「いやいやいや!どうしたんですか?じゃないよ、どういう事?何で私と久遠寺くんが婚約者なの?」
「そりゃあ、政略結婚ですよ」
しれっとそう言う彼は楽しそうだった。
そんな事知っとるわい!私が言いたいのはそういうんじゃなくて…。
「いつから自分の縁談相手が私だって知ってたの?」