生徒会長様の、モテる法則






つ…、使えねー!!!!



あんなしょぼいのしか出ないなら相手に向けたって問題ないじゃん!
脅しにもなってねーしハルのバカ!!!








「なにかしら今の」

「わからないわ、脅しのつもりかしら」

「紙くずだったわね」

「紙くずだったわ」



ちょっ!相手に至っては純粋に分析してるし!
どうすんのこれ!




「こらお前ら!!!なにやってんだ!!!!」




突如誰もいないはずの彼女達の背後から、怒鳴るような罵声が響き渡った。



え!何!誰もいないんだけど!何処で誰が叫んでんの!?
怖い!


その声を聞いた彩賀さんの取り巻き4人組は、ビクリと体を縮こまらせ一斉に後ろへ振り返る。




今だ!






私は彼女達に背を向け、本格的に逃げ出した。
あの謎の声の主はなんだかわからないが、どこから聴こえたかも分からないその声に気を取られているうちに全力疾走してどこかに隠れれば逃げられる。

痛む右足を捨てて、足を前へ前へ。


さっきの怒鳴り声、誰かに似てた気がするんだけど誰だろう。
しかも声の通り具合からいくとすぐ近くに居る音量だったのに誰もいなかったし。



神様かな。




ハルが使えないアイテム寄越したもんだから、神様が可哀想と思って助けてくれたのかな?
gj!




「待ちなさいー!」




「うわ!」




もう追いかけてきてるし!!
今度は私が追われる番だ。
痛みを我慢するのも限界に近づいている。
先ほど来た道を戻ってきているので、すれ違う生徒達が不思議そうに私を振り返った。
そりゃあ、さっき誰かを追いかけて廊下を走った人間が逃げているんだから、不思議だろうよ!



これでは追いつかれるのも時間の問題だ。
何か、何かないか…!


先に見えるは曲がり角と階段と、大きな窓。



見えた!私の行くべき道が!!!

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