生徒会長様の、モテる法則
私の声にピクリと、彼女の白くて細い指先が動いた。
良かった…、生きてたよ…。
「やはり、私の目は間違っていませんでしたわ…」
頭を押さえながらゆっくり顔を上げ彼女は、私を見上げて一言。
「好きです」
…?
「はい?寿司?」
「ですから、お慕い申しております」
「んん?」
可笑しい、いや可笑しい。
あれ?混乱してきた。
この決闘の意味は?
やだなに、この子ドM?
「あの跳び蹴りに心奪われ、ずっと拳を交えたいと思っておりました…」
ポッと、赤く染まる頬はまるで恋する乙女だ。
「いやまって、君は要冬真が好きなんじゃ」
「要様もお強いからお好きです、指導者としての絶対的地位は強さそのもの。しかしあなたを見た時、体中に電気が走りましたの。やはり真の強さは肉体なのだと」
あの、舐め回すような視線。
監視だと思っていたあれは、まさかの熱視線。
―…よくよく起こってたまるものか
数分前の自分の回想を思い出す。
が、僅か数分で現実に…!!
自分でフラグを立ててどうする私!!!
「えっと…あの果たし状は」
「果たし状?恋文なら書きましたよ」
確かに外観はラブレター風だったが、あの書き方は…!
“来られたし”
私のよく見る果たし状…ていうか誰が見ても果たし状だろあれ。
「拳を交えて…そしてアナタの強さをこの身に感じた快感…!脳が震えました!まさにこれが…」
やべ…頭突き、しなければよかった。
「恋…!!!」
桜の舞い散る4月中旬春の陽気。
強さに恋する女に性別は関係ない。