生徒会長様の、モテる法則
なんだかそう言われてしまうと、良心に響く。
技術学芸会が終わって最悪でも夜7時に家に着いたとして、私を寝かせたはいいものの腕を掴んだまま放さないもんだから、正味6時間、座っていたと?
私が起きるまで?
「あれ、おかしいな…ねぇハル、ちょっと聞きたいことが…」
聞いちゃいねー。
授業が始まりハルは完全に集中モードに入ってしまい、私の言葉を聞き入れる気はないらしい。
誰か。
私に教えて。
もしかして。
要冬真って…、結構優しい?
ショックだ。
偉そうな態度で優しさの片鱗も見えなかったのに、いや、私が見ようとしなかっただけか?
私って見る目ないの?
俺様満載の男が優しいって何、モテる秘訣ですか、モテる秘訣なんですかそれって。
わからない…、男ってわからない…。
授業中、私は古典そっちのけで永遠と要冬真について考えていた。
結果、授業が終わる頃にたどり着いた結論は、私が要冬真に風邪を移したということだけ。
「…ハル」
「なにー?」
「お見舞いとか、どう思う?」
「おれも行くー!」
「…、行くとは言ってないよ」
それでも、悪いとは思っているから。
様子を見に行くぐらいはいいかもしれない。