それでもあなたが好き
初恋の思い出-美術室-
次の日から、優は放課後、美術室でモデルをやってもらう事になった。
「じゃあ、優君は、そこに座ってるだけでいいからね。」
「ずっと座ってるのか…?」
「そう。なるべく顔はこっち向けててね。」
「…………」
優は、挙動不審になっていてなんだか笑えた。
「あははは。優君!もっとリラックスしていいんだよ?」
「だって…なんか恥ずかしいぞ。無言で顔見られるのって…」
「そうだよね…じゃあお喋りしながらだったらリラックスできる?」
「喋ってても絵、集中して書けるのか?」
「大丈夫。てか、優って呼んでいい?」
「え…?」
「優君より優のほうが言いやすいし。私の事、百合って呼んでよ!!!」
「ゆり…」
「そう。花の百合。本当は名前、向日葵(ヒマワリ)が良かったな〜なんて(笑)」
「百合って名前も…似合ってるぞ。」
「本当に?ありがと。」
「なぁ、百合の隣にあるヒマワリの絵…百合が書いたのか?」
「あーそうだよ。これコンクールに出すの。」
「綺麗な絵だな…すごいな…」
優は、私のヒマワリの絵を感心して褒めてくれてうれしかった。
「でも〜優の絵がうまくいったらこっちをコンクールにだそうかな?」
「そ…それだけは勘弁…恥ずかしい(照)」
「あはは。本当に優ってすぐ照れるよね(笑)面白い!!!」
私はなぜか大笑いしてしまった。
「…本当によく笑う女だな。」
優もクスっと笑った。