溺れる唇にキスを
どうすべきなのか、とか
どうしなきゃいけないのか、なんて。
そんなの考えられない。
ただ傍にいたいだけ。
ただ、胸が苦しくなるだけ。
「好きじゃないのに…
なんでこんなに思っちゃうのよ。
拓也がいるのに」
汐音って呼んでくれる声を
心地良いと思うの。
「また来ちゃった」って
笑って教室に来る
その姿を見るのが、
当たり前になってたの。
たまに男の子だって感じさせる
力強さに、ドキってしてた。
その唇が触れた部分が、
どうしても熱を持つの。
颯といると、不思議と
安心してる自分がいたの。