溺れる唇にキスを
その言葉に、行かなくちゃって
頭の中心でチカチカと
黄色の点滅が光って。
「颯の家、どこ?」
なんて、口が勝手にしゃべってた。
…何言ってんだろう、
家に押しかけてどうするの……。
やっぱりいい、ごめんって声に
出そうと口を開こうとしたら。
「じゃ、俺送っていきますよ」
え…?
決定。俺、今日の授業サボるから
適当に理由付けといてって一言
残してじゃっと手を振った
天パの男の子。
いやいや、サボるって…。
「先輩行かないのー?
俺、サボる理由なくなって
怒られるんすけど」
「あっ…。ねえ、いいの?」
「なにがっすか?」
何がっすかって。
あたしのせいでサボるんでしょう?
なんて言えなくて、とぼとぼと
彼の後をついて行くしかなくて。
「サボんのは、
先輩のせいじゃないっすよ。
先輩の後ろで
ものっすごい形相してた
姉貴が怖かったすから」
思い出したみたいに、少し顔を青くして
振り払うみたいに、頭を振った彼に。