バレちゃダメ!!*kissに隠された秘密*
「じゃあ、早速ヘアメイクやっていくわね。」


鏡の前の椅子に座ると、小島さんが言った。


誰かにメイクしてもらうのが久しぶりで落ち着かない。


でも、自分がどう変わるのか楽しみだった。


「どう?莉遠くんと同じクラス。」


「…はっきり言って嫌です…。」


バレないようにしてみんなを巻き込むのも辛いし…


莉遠の本音を聞いてしまったという罪悪感もある。


「鈴音ちゃんの嫌な記憶を思い出させて悪いんだけど…

あのアドリブのキスは莉遠くんの本当の気持ちだとあたしは思うわ。」


え…?


「莉遠くんはこの世界に半年くらい前までいたから、莉遠くんのヘアメイク担当になることがあってよく話してたの。


あの子は好きな子以外にはあんなことしない。

あたしはそう感じたわ。」


小島さん…。


栞ちゃんからあの話は聞いてないのかな?


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