弱り目に祟り目?
『岩崎くん?あ、楠木です。なんか佳奈さんが来てやれって……』


マイク越しにそう言う彼女を、とりあえず部屋にあげる


「うわ~やりたい放題やられたね……」


部屋を見た彼女の率直な意見は、確かにその通りだと言わざるをえなかった


「私も手伝うから片付けよっか」


「ちゃちゃっと片しちゃおう」と言いながら、彼女はジャケットを脱いで、ダイニング(という名のちょっとしたスペース)のイスにかけた

鼻歌混じりに缶を袋に入れながら片づけをする彼女に倣って、俺も開いたお菓子などの袋を袋に入れていく

その時一瞬視界が揺らいだ


「岩崎くん、このゴミ袋どこに置いとけばいい??」

「あぁ……それは………」


俺にそう尋ねた彼女の姿が、視界の中で揺らぐ


『あれ、俺……』


そう思った瞬間には、俺はすでに深い眠りに落ちていた


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