弱り目に祟り目?
「やっぱり熱あるよ……」


俺の額に触れた冷たい手が引っ込んで、額に冷えピタが貼られる

どうやら、俺はあの後倒れた様子

良く考えれば、最近バイト場所の変更だの、引っ越しだのであまりちゃんと休んでいなかった


そりゃ、キャパオーバーか……


そんな事を考えつつも、いつの間にか自分がベットに横になっている事を不思議に感じる

今の状態ではあまり働かない頭を使って考えていると、それを解決するかのように、隣から慶太の声が聞こえた


「陽菜ちゃん、こんなもんかな?」

「あ、ありがとうね!わざわざ来てもらった上に、色々買ってきてもらっちゃって……」


パタパタと慶太の声のする台所の方へ彼女は向かっていく

台所の方から、慶太が「良いって、んじゃ翔太よろしくなぁ~」と言っているのが聞こえてから、ドアの閉まる音がした

ここからは見えないが、慶太は帰って行ったようだ

再び俺の隣りに戻ってきた彼女の手には、器と水の入ったコップに薬の瓶


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