弱り目に祟り目?
そろりそろりと彼女は振り返ると、真っ赤な顔して膨れっ面をしている

それから少し間をおいて、彼女はゆっくり口を開いた


「確かに……自分の言葉には責任持ちます………」


変に真面目なところは計算済み

面白いくらいに彼女が予想通りの反応と言葉を返してくるので、思わず顔がニヤけてしまう

ゆっくりベットの横にしゃがみ直した彼女は「目、閉じて……」と言って、俺を見つめ返した

その表情に、思わずドキッとしてしまう

頬を真っ赤に染めて、少し潤んだ目で真っ直ぐ俺を見つめてくる

今、風邪ひいて熱あって良かったぁとふと思う

じゃなければ、絶対彼女をベットinだ

そんな邪念を俺が抱いているとはつゆ知らず、彼女は俺が目を閉じるのを待っている

ゆっくりと俺が目を閉じると、彼女が動く気配がした

布団に彼女が手をつく音
服がシーツにすれる音

神経がすべて、耳にいってしまう

唇が触れあった瞬間、少し冷たく感じるのは俺が熱を帯びているからだろうか

ほんの一瞬で彼女はスッと身を引くと「ちゃんとしたもん!」と言って、トレイを持って台所へと駆けて行った

その後ろを見ながら『可愛すぎるだろ』と苦笑してしまう

腹が痛くなりそうになりながら、静かに笑っていると、いつの間にか俺は眠りに落ちていた


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