櫻。
享楽が立ち上がるときには、すでに囲まれていた。
刀五の槍三。
分が悪すぎる。
だが、享楽の目は死んではいなかった。
いや、逆にぎらぎらしていた。

一斉に享楽に掛かろうとした……が!!
「うぉぉおっ!享楽様!」
享楽が開いた道を辿り、十人の槍隊が助けに来た。
形勢逆転。
享楽はその場を任し、そして……城門を突破した!

「勝ち戦だ!」
享楽がそう叫ぶと、味方全員の歓声が湧く。
だが、不思議だ。
相手の城に攻めたこちらが優先なのに、敵側の目は死んでいなかった。


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