櫻。
刀を振り下ろし、斬ったかと思われた。
だが、手応えなし。
ぎりぎりまで刀の動きを読み、享楽は避けたのだ。

「ふぅ。まぁ、俺は殺し合いが嫌いだ。っんなもんやるなら、櫻を見て、酒を飲んだほうがましだ。」
刀を鞘に入れ、享楽は万代に笑いかけた。
思わず万代も笑い、刀を下ろした。

「あんさんとは、生きてまた会いたいよ。」
そう言って、万代は消えていった。
享楽も少しして、城に戻った。


< 8 / 23 >

この作品をシェア

pagetop