それでもわたしは生きている
「ヒロアキ?へ?彼女は?」

「風呂!今日、ごめんな…また呑んどんか!」

「呑んでるよ~!」

「はよ寝とけ!おやすみ!」

「おやすみ…」



この電話は嬉しいの?

彼女は?
風呂!
は、悲しいの?


あーーっっ!!

ナオキのバカァッ!


ナオキ?
ちゃうちゃう!
ヒロアキ!

やっぱり…

そっくりかも…



結局、呑んだくれたまま朝を迎えた。



プルル…

プルル…

ん…
電話…

プルル…

「は…い…」

「いつまで寝とんや!もう昼やぞ、はよ起きろ!」

「あれ?ヒロアキ?なんで?彼女は?」

「帰ったで、明日仕事早い言うとったからな。今から来るか?」


えーっ!
それは…
ちよっと…


「嫌やな!そやんな!おぅ、やめとけ!」

「行く!」


あ~、私はバカヤロウだ…



私が行く時、ヒロアキは部屋の鍵を開けてくれている。

勝手に入って来いという意味だ。

私は今日は本当に嫌な予感がする…

なのに何故来た。
わざわざ傷付く為に…

この扉の向こうにあるのは、決してお花畑ではないと分かっているのに…



ガチャ…


見たくないけど見渡してしまう…

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