それでもわたしは生きている
嫌でも目に入ってしまう、写真立ての中の2人。


苦しい…


ヒロアキが片手を伸ばして撮ったアップの2人。


吐きそう…


頬と頬をくっつけて、テレ臭そうに笑う、今まで見たことのないヒロアキの顔…


壊れた…


「えーっ!何これ!彼女?」

私は写真立てのそばに行き、笑顔でそれを手に取った。

「可愛いやぁん!」

「そうか?」

「ふぅん、帰っちゃって寂しいなぁ!」



喋ってないと死ぬかもしれない…



自分の場所に戻り、座ろうとしたその時、ソファから手を伸ばしたヒロアキに引っ張られ、私はソファに尻餅をついた。

いきなりキスをして、ヒロアキは言った。

「抱いたろか?」

「………嫌…」

「なんで?」

「ヒロアキが私の事好きじゃないから嫌…」

「誰がそんなん言うたん?」


私は静かに目を閉じた。



きっとコイツは、ドSだ。


そしたら私は、ド…




彼女の存在は分かっていても、側にいるのは私……そう思うと今までみたいに

『彼女の所へ帰り』

という気持ちになれない。


彼女が月に1度やって来る度、やるせない夜を過ごし、時には残酷なほど彼女の存在が目に付くけど…

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