それでもわたしは生きている
ヒロアキの私に触れるこの手がある限り、私はヒロアキから離れられない。


やっぱりナオキが大好きだった。

今までの誰よりも大好きだった。

誰かが私を大好きになって、どんなに大事されても…

私がその人を好きじゃなきゃ、私は幸せを感じられない。

そして、ナオキとそっくりな性格のヒロアキに出会い、私は今、悲しくても世界で1番幸せな夜がある。



私はこの男を、調子に乗らせ過ぎてしまった。


何を言っても
何をしても
女は自分を裏切らない、という自信を持ってしまった男は、異常なほどに女を傷付け、泣いてすがる光景を楽しんでしまうクセがあるようだ。




ソウタが田舎へ行ってない時はヒロアキが私の家へやって来る。

ソウタが眠りについてからヒロアキが話始めた。


「もう…お前、オレん家くんなな!オレももう、ここにはこんから」

「なんで?急に…」

「お前、辛いやろ?」

「ヒロアキと離れる方が辛い!」

「もうえぇって!分かった?くんなよ?」

「嫌!行く!」

「分からんか!迷惑やねん!」


め…迷…惑…


キツイ…


それでも私は頑張った。


「迷惑でも行く…」


段々声に力がなくなる。
< 164 / 212 >

この作品をシェア

pagetop