それでもわたしは生きている
新しい家族
そのオジサンが現れたのは小学2年の時だった。
女手ひとつで私を育てる母は、今程福祉も整っておらず、昼夜関係無く必死で働いていた。
だから私はいつも独りだった。
朝も独りで起き、夜も独りで電気を消す…
ご飯はキチンと作って置いてくれていたので、寂しい以外の不自由は無かった。
そんな時、母は事故にあい生死を彷徨ったらしい。
後から聞いたのだが、本当にサンズノカワを渡りかけて
―とても大事なモノを忘れてきた―
と思い意識が戻ったらしい。
大事なモノとは、娘の私だった…
事故から回復してすぐ、母は見合いをした。
そして、小学3年進学と同時に新しい家族が1人増えた。